2016年に4:6メソッドで世界一になった粕谷哲さんが、2026年5月に公開した新しい抽出レシピが「10投式」です。本人は「THE NEO BREW(多投レシピ)」と呼んでおり、コーヒー豆20gを極端な粗挽きにして、30mLのお湯を15秒おきに10回に分けて注ぐ方法です。
このレシピの特徴は、本人が話しているとおり、2〜3回で注ぎ終えるレシピが主流の中で、あえて極粗挽きで注ぐ回数を増やし、口当たり(質感)の厚さを引き出すことです。その理由を粕谷さんは、お湯が粉を通過する回数を重ねるからだと説明しています。
この記事では、10投式の淹れ方を紹介し、味わいと淹れる際のポイントをまとめます。
酸味を抑えた口当たりの厚い1杯を飲みたい日は10投式がオススメ。
注意点|挽き目の調整と15秒ごとの注ぎに手間がかかり、毎日の1杯には向きにくいレシピです。4:6メソッドで十分おいしいので、私はいつもの淹れ方がしっくりこない日に試す1杯にしています。
味わい|「酸の強度が下がり、甘さが強く出る」(粕谷さんYouTube)
私がHARIO V60 ドリッパー NEOで淹れた1杯は、TDS(濃度)が1.00%と、同じ日に同じ豆で淹れた4:6メソッドの1.18%より低いのに、酸味が控えめで、とろみのある口当たりでした。
必要な道具|V60 NEO、Comandante C40 Mk4(コマンダンテ C40 MK4)
動画では、ドリッパーはV60 NEO、ミルはComandante C40 Mk4(コマンダンテ C40 MK4)が使われています。V60 NEOは粕谷さんの推奨で、30mLずつの少ないお湯が粉に均一に届きます。C40は粕谷さんが動画で使っている高級ミルで、私も今回は40クリックで挽きました。ドリッパーは通常のV60でも淹れられ、ミルは極粗挽きまで挽けるものが要ります(市販の粉ではこの粗さになりません)。
- C40以外のミル|よくある質問「C40以外のミルでは、何クリックにすればいいですか」へ
- 薄く感じたら|好みの味への調整方法
実測条件|V60 NEO・C40で40クリック・96℃・COLOMBIA ANAEROBIC MOCHA 20gで10投式を淹れ、スケールとATAGO PAL-COFFEE(屈折計)で測りました。同じ日に参考として、同じ豆で4:6メソッド(通常のV60・25クリック・92℃)も淹れました。
10投式のレシピ
10投式の要点は、極粗挽きにした豆に、30mLのお湯を15秒おきに10回注ぎ、お湯を溜めずに落とし切ることです。以下は、粕谷さんのYouTube動画で説明されている淹れ方を、文字と図にまとめたものです。

| 項目 | 10投式の設定(公開値) |
|---|---|
| 豆量 | 20g(浅煎り推奨) |
| 湯量 | 300mL(湯量比1:15) |
| 湯温 | 95〜96℃ |
| 挽き目 | 極粗挽き C40で 40〜45クリック |
| 器具 | V60 NEO を推奨(V60でも可) |
| 注ぎ方 | 30mLずつ・15秒間隔で10回 蒸らしだけ30秒 |
| 落とし方 | お湯を滞留させず、落とし切る |
| 完成 | 約3分半前後で 全量が落ち切ったら |
道具は、タイマー付きスケール、温度を設定できるケトル、極粗挽きにできるミルの3つです。
出典:粕谷哲さん公式YouTube「世界制覇から10年かけて辿り着いた最新式のドリップレシピ」(2026年5月29日公開)の概要欄と本編。ドリッパーの公式情報はHARIO 公式サイトのV60 ドリッパー NEO ページで確認できます。
関連|基本の道具立ては『ハンドドリップで揃えたい7つの道具』、ミルの粒度は『Comandante C40 MK4のレビュー』にまとめています。
ステップ1|豆20gを極粗挽きに挽く
コーヒー豆は20gで、コマンダンテC40を40〜45クリックにして極粗挽きにします。
実際に挽くと、ざっくざっく切れる感じで、普段の手応えとはまるで違いました。粕谷さんも「多分誰もやったことない挽き目」「もうすぐ外れるんじゃないか」と話すほどの粗さです。

粕谷さんは動画のなかで45クリックで淹れたあと「45はマジでエクストリーム」「40だったら結構失敗しない」と話しています。最初は40クリックで淹れ、淹れ具合をみながら、次回以降を調整していくのが良いと思います。
C40以外のミル|動画では数値が示されていませんが、決め方とコメント欄で報告された設定値をよくある質問にまとめています。
ステップ2|お湯を95〜96℃に用意し、ドリッパーをセットする
湯温は95〜96℃で、私が実際に淹れた温度も96℃です。粕谷さんは高い温度をキープしたほうがよいと繰り返し話していて、粗く挽いたぶんを湯温で補う設計になっています。
ドリッパーはお湯抜けが早いV60 NEOが推奨で、通常のV60でもよいとされています。
- V60 NEOはお湯が均一に届く|30mLという少量のお湯を20gの粉に均一に届けるのは難しく、V60 NEOはリブに向かってお湯が流れて行き渡る。
- V60でも可|粕谷さんも「いつもV60でやってる」と話している。
私は今回、推奨のV60 NEOで淹れました。

ステップ3|蒸らし30秒のあと、15秒おきに30mLずつ注ぐ
10投式の中心は注ぎ方です。1投30mL、間隔15秒で、1投目の蒸らしだけは30秒取ります。

注いでいる最中は、次のように進みます。
- 30mLはすぐ落ちる|30mLは量が少なく、すぐに落ちていく(上の写真)。
- 2投目からは15秒ごと|蒸らしの30秒が過ぎたら、15秒おきのテンポで次々に注ぐ。
- 後半は少し詰まり始める|粕谷さんのレシピ表では、2:00(240mL)あたりから少しお湯の抜けが遅くなる。
- 前の30mLが残っているとき|落ち切ってから次を注ぐ(下で説明)。
- 1投の量|30mLぴったりでなくてよい。1投ごとのズレより、合計300mLと15秒間隔を優先する(Q2)。
動画で繰り返されているのが、ドリッパー内にお湯を滞留させない点です。「なるべくスーッと落としちゃう」という言い方で、お湯を溜めたまま次を注ぐのではなく、落ちる流れを切らさずに重ねます。極粗挽きは、このお湯の流れを止めないための大事な条件になります。
15秒ごとの落ち切りを見る
10投式を淹れるときにいちばん見ておきたいのが、15秒ごとの落ち切りです。次の30mLを注ぐ前に、前の30mLがドリッパーから落ち切っているかを見ます。
挽き目は15秒ごとに注げるように合わせ、実際に淹れるときは、前の30mLが落ち切ってから次を注ぎます。
落ち切りを見るのは、15秒で落ち切るかどうかで挽き目が合っているかを確かめたいのと、お湯が溜まっているとそのぶん成分が出てしまうためです。粕谷さんも動画で淹れたとき、0:45に90mLまで注いだところで「もう落ち切ってるから次」と話しています。私の実測(C40で40クリック・V60 NEO)では毎回15秒のテンポより早く落ち切ったので、待つ場面はありませんでした。
動画で粕谷さんが淹れた1杯では、270mL付近で少し詰まり始めたあとも、2:30に最後の30mLを注いで注ぎ終えています。
落ち方と味を見て、次の1杯では挽き目を次のように動かします。
- 前半から落ち切らない|粗くする。お湯を滞留させないのが10投式の組み立て
- 毎回すぐ落ち切り、飲んで薄い|クリックを減らして細かくする。直し方は好みの味への調整方法で

実際に淹れて分かったこと
私が実際に淹れた条件は次のとおりです。
- 豆|COLOMBIA ANAEROBIC MOCHA(コロンビア産・アナエロビック精製)20g
- 湯温|96℃
- 挽き目|極粗挽き(C40で40クリック)
- ドリッパー|V60 NEO
- 総湯量|約300mL(1g=1mLとして)
10投それぞれの注いだあとの記録を、粕谷さんのレシピのタイムラインと並べます。
| 粕谷さんのレシピ | 私の実測 |
|---|---|
| 0:00 / 30mL | 0:11 / 30.0mL |
| 0:30 / 60mL | 0:38 / 63.7mL |
| 0:45 / 90mL | 0:51 / 90.2mL |
| 1:00 / 120mL | 1:06 / 120.1mL |
| 1:15 / 150mL | 1:20 / 149.5mL |
| 1:30 / 180mL | 1:34 / 180.1mL |
| 1:45 / 210mL | 1:50 / 211.1mL |
| 2:00 / 240mL | 2:04 / 240.5mL |
| 2:15 / 270mL | 2:19 / 268.0mL |
| 2:30 / 300mL | 2:36 / 302.2mL |
| 約3分半 落ち終わり (レシピ表の目安) | 2:30 注ぎ終わり 2:45 引き上げ |
私の時刻は、注いだあとにスケールを撮った時刻です。注ぐテンポは粕谷さんのレシピとほぼ同じでしたが、毎回10秒ほどで落ちていたので挽き目がやや粗めで、その結果、全体の落ち終わりも早くなったと考えています。

いちばんの差は、落ち終わりが約45秒早かったことです。粕谷さんのレシピ表では、約3分半前後で全量が落ち切ったら完成です。私は2分30秒でお湯の流れが終わり、そのあとはぽたぽた落ちるだけになったので、そこを落ち終わりとみて2分45秒でドリッパーを引き上げました。
早かった理由|豆の違いと挽き目の粗さ
早く落ち終わること自体は珍しくなく、動画のコメント欄にも、詰まらずに2分半〜3分で落ち終わったという報告がいくつかあります。
器具は動画と同じV60 NEO、挽き目は推奨の40クリック(動画で粕谷さんが淹れた1杯は45)です。約3分半はレシピ表の目安で、動画で落ち終わった時刻は読み上げられていません。
粕谷さんと私では豆が違うので、挽き目の粗さに加えて、豆の差も効いたと考えています。粗さについては、粕谷さんも「粗挽きは粒度分布が悪くなる」と返信しています。次は少し細かくして、落ち方と味がどう変わるかを試してみます。
後半は「詰まってよい」であって、詰まる必要はありません。早く落ち終わっても、飲んで物足りなくなければ挽き目を動かす必要はありません。
注ぎ方|テンポを止めない
手順として実感したのは、30mLずつ15秒間隔は結構忙しいことです。量は30mLのままで、注ぐ勢いを強めにする感覚でいかないと、狙いどおりに注ぎ終わらないし、落ち切らないです。このため、1投ずつ慎重に量るより、テンポを止めないほうがレシピどおり進めやすいです。

味とTDS|酸味が控えめでとろみ
TDSは1.00%で、動画で話している1.3近くよりは低めでした。
味は、酸味が控えめで、とろみのある口当たりでした。粕谷さんの言う「酸の強度が下がる」「質感が厚くなる」と同じ方向の味です。
好みの味への調整方法
最初の1杯は動画の条件で淹れ、15秒ごとの落ち切りと味を見てから、気になった点を1か所ずつ変えていきます。粕谷さんが動画とコメント欄で示している直し方は、次の3つです。
- 味が薄い|クリックを減らして細かくする
- 挽き目は変えたくない|淹れながらサーバーを揺らす
- 15秒おきが忙しい|注ぐ回数を7〜10回に減らしてもよい
薄いと感じたら|挽き目を細かくする
飲んでみて薄いと感じたら、挽き目を少し細かくします。C40なら数クリックずつ減らし、変えるのは1回に1か所だけにします。15秒ごとの落ち切りで毎回すぐ落ちているなら、細かくしてよいサインです。
粕谷さん自身が動画で「液色はだいぶ薄いね」と話しており、液色が薄いのは、このレシピの特徴だと思います。このため、挽き目を動かすのは、飲んで物足りないときだけにします。

物足りないときの直し方は2つで、どちらも動画の同じ場面で話しています。
- クリックを減らす|「濃度が薄くなっちゃう人は、クリックを少なくするのでもいい」
- サーバーを揺らす|「淹れながらサーバーを揺らして、攪拌を促してあげる」。挽き目はそのままで、抽出を進める方向の直し方
クリックの動かし方は、粕谷さんが動画で淹れたときの45クリックについて「荒すぎたかもしれない。40とかのほうが良かった。物による」と振り返っています。45で薄ければ40へというのが、粕谷さんの言葉から言える順番です。
40でも物足りないときに1回で何クリック動かすか、どこまで細かくしてよいか、サーバーをいつ・どのくらい揺らすかは、動画では示されていません。私も試していないので、40クリックのまま淹れ、飲んで物足りないときだけ動かしてください。
回数を減らすなら|7〜10回でもよい
粕谷さんは、回数を10回に固定しなくてよいと言っています。動画では「10回まで行かなくても、7、8回でも口当たりは良くなる」、コメント欄では「10投にこだわらずに色々試してみてください。7〜10あたりでも美味しい感じになります」と書いています。
7〜9回にしたときの1回あたりの量と間隔、回数を減らすと濃さがどう変わるかは、示されていません。合計300mLと、お湯を溜めずに落とし切ることは変えずに、回数だけを減らすのが説明に沿った試し方です。
4:6メソッドとの違い
10投式と4:6メソッドは、同じ粕谷さんのレシピでも設定がかなり違います。豆20g・お湯300mLという比率だけが共通で、動画でも「比率は4:6と一緒」と言っています。挽き目も湯温も注ぎ方も別ものです。
| 項目 | 10投式 | 4:6メソッド |
|---|---|---|
| 豆量 | 20g | 20g |
| 湯量 | 300mL | 300mL |
| 挽き目 | 極粗挽き C40で40〜45 | 中粗挽き C40で22〜30 |
| 湯温 | 95〜96℃ | 浅煎り92〜94℃ 中煎り87〜89℃ 深煎り82〜84℃ |
| 投数 | 10投 30mLずつ | 5投 60mLずつ |
| 注ぐ間隔 | 15秒 蒸らしのみ 30秒 | 0:00/0:45 1:15/1:45 2:15 |
| 湯量の配分 | 均等に30mLずつ | 前半40%で味 後半60%で濃度 |
| 落ち終わりの目安 | 約3分半前後 | 3分〜3分半 |
| 焙煎度 | 浅煎り | 浅煎り〜深煎り |
4:6メソッド側の挽き目(C40で22〜30クリック)と湯温は、私の4:6メソッドの記事で使っている設定です。

10回に分ける理由|質感を厚くする
出発点は、2〜3回で注ぎ終える近年の競技会の主流は、ネガティブは出ないけれどポジティブも出ていないのではないか、という問題意識です。粕谷さんはこれを「減点式ではなく加点式」と言い表しています。
注ぐ回数を10回まで増やすのは、お湯が粉を通過する回数を重ねるほど質感(マウスフィール)が厚くなるから、という説明です。とろみが出て粘性のある液体になる、という言い方です。味ではなく口当たりを狙った回数です。
極粗挽きと高い湯温もこの設計とつながっています。40〜45クリックの粗さで湯量比1:15だと、普通ならTDS(濃度)が1を切るところを、湯温を高く保ち10回に分けて注ぐことで1.3近くまで出せる、という説明です。

粕谷さん自身は、10投式を4:6メソッドの派生に近いものとも位置づけています。後半60%を3回以上に分けても効果はないと当時は結論づけたが検証が足りなかった、とも述べています。
飲み比べた味|10投式は酸味が穏やか
同じ日に同じ豆で2杯を淹れて飲み比べると、4:6メソッドはTDS 1.18%で、酸味が出ていました。濃度は10投式(1.00%)のほうが低いのに、酸味が穏やかでとろみを感じたのは10投式でした。
4:6メソッドは通常のV60・25クリック・92℃で淹れました。器具・挽き目・湯温も、それぞれの推奨で淹れた比べ方です。
私の感想としては、同じ日に2杯を飲み比べると違いはよく分かりますが、4:6メソッドは十分においしい1杯です。そのため、いつもは4:6メソッドで淹れ、口当たりの厚さを試したい日や、いつもの味がしっくりこない日に10投式を選ぶのが私の使い分けとなります。
関連|4:6メソッドの淹れ方と味の直し方は『ハンドドリップのコツ|世界チャンピオン考案『4:6メソッド』』にまとめています。
よくある質問
道具やミルが違うとき、数値どおりにいかないとき、豆の選び方、10投式の弱点と呼び名をまとめました。
Q1. 通常のV60でも淹れられますか
推奨はV60 NEOですが、粕谷さんは普段は通常のV60で淹れていると話していて、通常のV60でも淹れられます。
私が淹れたのは推奨のV60 NEOのほうで、通常のV60ではまだ試していません。通常のV60はNEOよりお湯抜けがゆっくりなので、詰まるようなら挽き目を粗めにするとよさそうです。
Q2. 30mLずつ正確に量れません
私の実測でも、1投ごとに数mLのズレは出ました。1投ごとの誤差より、合計300mLと15秒間隔を優先する方が良いと思います。
動画では、豆15g・お湯225mLでもできるが1投22.5mLは数えにくいので20gを推奨、と話しています。
Q3. C40以外のミルでは、何クリックにすればいいですか
C40以外の数値は、動画では説明されていません。
クリック数をそのまま写すより、次の順番で合わせていきます。
- 粗い側から始める|下の表の報告値の幅のうち、粗い側の値で挽く
- 粉の見た目を合わせる|ステップ1の挽き分け写真(C40で40〜45クリック)の粗さに近づける
- 15秒ごとの落ち切りで確かめる|前半から残るなら粗く、毎回すぐ落ちて薄いなら細かく
- 最後は味で決める|飲んで物足りないときだけ動かす
下の表は、2026年11月時点で、換算表サイトと動画のコメント欄の値を、私が調べた範囲でまとめたものです。
| ミル | 報告と換算表の値 |
|---|---|
| TIMEMORE C2 | 報告:33クリック 換算表:30クリック |
| TIMEMORE C3 | 報告:23〜35クリック 換算表:25クリック |
| TIMEMORE C3S PRO | 報告:35クリック 換算表:— |
| 1Zpresso K-Ultra | 報告:いちばん粗い設定 換算表:1回転 |
| KINGrinder K6 | 報告:180〜200クリック 換算表:2回転 +34クリック |
| varia VS3 | 報告:20〜25 換算表:— |
| LAGOM casa | 報告:ダイヤル25 (約1400μm) 換算表:— |
「換算表」は、換算表サイト Honest Coffee Guide のgrind size chartと各ミルのページ(2026年11月時点・値から各ページへリンク)。C40の40クリックをフレンチプレス用の粗さの上の端として当てはめた値で、多くのミルでその表のいちばん粗い側の端です。
「報告」は、動画のコメント欄の自己申告です(2026年10月31日時点)。
TIMEMORE S3 や電動ミルの一部は、いちばん粗くしても届かない、という報告もコメント欄にあります。挽いた粉を買っている場合は、市販の粉はこの粗さにならないので、豆で買って挽く必要があります。
Q4. 浅煎り以外の豆でも使えますか
推奨は浅煎りで、湯温が高いぶん深煎りには向かないかもしれないとも動画で話しています。
浅煎りを勧めるのは、質感が軽くなりがちな浅煎りに、10回注ぎで質感を足すという狙いです。味については「冷めてくるとやばい」「ゼリーみたい」という言い方をしています。
深煎りで試すなら、15秒ごとの落ち切りと味を見ておくと、次に挽き目を動かす目安になります。
Q5. 酸を楽しみたい人に向きますか
粕谷さんが「酸の強度が下がり、甘さが強く出る」と話しています。酸がやわらかくなるので、酸を前に出したい豆では物足りなく感じることがあります。
酸を楽しみたい日は4:6メソッドで淹れるのがオススメです。10投式は、質感と甘さを狙う日のレシピとして使い分けてください。
Q6. 10投式に弱点はありますか
粕谷さん自身が動画で挙げている弱点は3つです。酸がやわらかくなること(Q5)、液色がだいぶ薄いこと、豆によっては薄くなることがあることです。
液色の薄さは、味の薄さとは分けて見ます。飲んで物足りないときの直し方は好みの味への調整方法にまとめています。
Q7. 「10投式」は本人の呼び名ですか
粕谷さんは動画のなかで「10投式」とは呼んでいません。実演の途中で「ネオブリュー」と即興で口にし、社内では「多投レシピ」と呼んでいると話して名前を募集しています。概要欄には「THE NEO BREW(多投レシピ)」と書かれています。
「10投式」は、公開から2日ほどで視聴者のnoteやSNSに出てきた呼び名です。本人も、自分で書いたコメントでは「10投」という言葉そのものは使っています。
まとめ
豆20g・極粗挽き・30mLずつ15秒おきに10回で淹れ、15秒ごとの落ち切りを目印に挽き目を合わせるのがオススメです。
淹れるときは、次の順番で進めます。
- 挽き目|C40なら40クリック。ほかのミルはよくある質問の順番で
- 最初の1杯|公開値のまま淹れて、前の30mLが15秒で落ち切るかを見る
- 2杯目から|落ち切らなければ粗く、飲んで薄ければ細かく。忙しければ7〜10回に
私はV60 NEOで淹れ、2分30秒に注ぎ終わり、2分45秒でドリッパーを引き上げました。味は、酸味が控えめで、とろみのある口当たりです。注ぐ手間がかかるぶん、私にとっては毎日のレシピではなく、4:6メソッドがしっくりこないときに取り出す1杯です。
推奨のドリッパーはV60 NEOです。
関連|スケールやケトルは『ハンドドリップで揃えたい7つの道具』にまとめています。
知りたいことに合わせて、こちらもどうぞ。
- 4:6メソッドの手順と味の直し方|『4:6メソッドの淹れ方』
- ほかのレシピと比べて選ぶ|『ドリップコーヒーの淹れ方|レシピ9種類の選び方』
- C40の挽き目と粒のそろい方|『Comandante C40 MK4のレビュー』


