『ドリップコーヒー 淹れ方』で調べると、ドリップコーヒー(ハンドドリップ)のレシピがたくさん出てきて迷うことが多いと思います。
この記事では、たくさんある淹れ方の中から、公式や考案者が公開している9種類のレシピの特徴や手順と、目的に合わせたオススメの淹れ方を整理しました。
ハンドドリップを学びたい方も、市販のコーヒー粉を美味しく淹れたい方も、豆の焙煎度に合わせて淹れ分けたい方も、それぞれに合ったオススメの淹れ方を選べるようまとめました。
目的別の選び方は6通り。難度は注ぐ回数と注ぐ量の変化を目安にしています。
- ハンドドリップを学びたい
→ 4:6メソッド(難度 低い) - 浅煎りの豆を楽しみたい
→ 10投式(難度 高い) - コクのある味を出したい
→ コーノ式(難度 高い) - 市販のコーヒー粉を美味しく淹れたい
→ UCC 3投式(難度 ふつう) - コーヒー店の豆を淹れる
→ 各店のレシピ(難度 店による) - 持っているドリッパーで選ぶ
→ そのドリッパーで淹れるレシピ
9種類のレシピ一覧
たくさんあるドリップコーヒーのレシピから、本記事では、スターバックスなどのコーヒー店、UCCなどのメーカー、バリスタなどの考案者が公開しているレシピのうち、実際に私が試したことがある9種類を紹介します。
なお、味の特徴は、各レシピの公式ページ、考案者の説明、またネット情報を基にしていますが、実際の味は、豆や焙煎度によって変わりますので参考情報となります。難度は、注ぐ回数が少なく、毎回注ぐ量が同じものほど低くしています。

タイプ1|コーヒー店のレシピ
ブルーボトルコーヒー、小川珈琲、スターバックス コーヒーの3つは、よく知られたコーヒー店が、公式に紹介しているレシピです。

レシピ① ブルーボトルコーヒー
ブルーボトルコーヒーが、公式ストアで紹介しているハンドドリップの淹れ方です。
- 使う道具|ブルーボトルコーヒーのドリッパーと専用フィルター。
- 粉|27g(ブレンドの場合。シングルオリジンは23g)・中細挽き。
- 注ぐお湯|350mL。
- 出来上がり|310mL。
- 淹れ方|
- 50mLを注ぎ、30秒蒸らす。各回とも約10秒かけて、中心から外へらせんを描き、中心に戻す。
- 100mLを注ぐ(累計150mL)。表面の粉を沈めるように注ぐ。
- お湯がフィルターの底近くまで下がったら、100mLを注ぐ(累計250mL)。
- また底近くまで下がったら、100mLを注ぐ(累計350mL)。
- 出来上がりは310mL。
湯温・時間は公式に記載がありません。

関連|原文はブルーボトル公式の「ハンドドリップでのおいしいコーヒーの淹れ方」で確認できます。
レシピ② 小川珈琲
京都の小川珈琲が、公式サイトで紹介しているハンドドリップの淹れ方です。
- 使う道具|カリタの三ツ穴ドリッパーとペーパーフィルター。
- 粉|1杯分13g(2杯分は25g)。
- 注ぐお湯|1杯分180mL(2杯分は350mLで、50→100→100→100mL)。
- 淹れ方|
- ペーパーフィルターの内側全体をお湯で湿らせてから粉を入れ、30mLを粉全体が湿るよう注いで30秒蒸らす。
- 50mLを、中心から大きな円を描くように1周で注ぐ。
- コーヒー液が途切れ始めたら、50mLを同じように注ぐ。
- 途切れ始めたら、50mLを細く静かに、中央で直線状に往復させて注ぐ。
- 落ち切ったら完成。サーバーの中でよく混ぜてからカップに移す。
紹介ページに挽き目・湯温・時間の記載はありません。小川珈琲は別ページで、湯温は90℃前後、挽き目は中細挽き〜中挽きを勧めています。

関連|原文は小川珈琲公式サイトの「ハンドドリップ編」で確認できます。
レシピ③ スターバックス コーヒー
スターバックス コーヒー ジャパンが、公式サイトの「HELLO COFFEE」で紹介しているハンドドリップの淹れ方です。
- 使う道具|円すい形・1つ穴のオリジナルセラミックドリッパーとペーパーフィルター。
- 粉|豆20g・細挽き〜中挽き。
- 注ぐお湯|360mL。
- 湯温|90〜96℃。
- 淹れ方|
- 粉の中央から楕円を描くように少しずつ注ぎ、20〜30秒蒸らす。
- 中央から小さな円を描きながらゆっくり注ぎ、コーヒーの表面をドリッパーの下から70〜80%の高さにする。
- その高さを保ち、数回に分けて注ぐ。
- 必要な量に達したら、落ち切る前にドリッパーを外す。
時間・杯数は公式に記載がありません。

関連|原文はスターバックス公式サイトの「ハンドドリップコーヒーのいれ方」で確認できます。
タイプ2|メーカーの公式レシピ
HARIO公式(V60)、UCC 3投式、コーノ式の3つは、ドリッパーやコーヒーを販売しているメーカーが、公式に紹介しているレシピです。

レシピ④ HARIO公式(V60)
HARIOが、公式サイトとV60の付属説明書で紹介しているハンドドリップの淹れ方です。
- 使う道具|V60透過ドリッパーとペーパーフィルター。
- 粉|12g(付属の計量スプーンすりきり1杯)・中細挽き。説明書では1杯10〜12g。
- 注ぐお湯|合計168mL(蒸らし24mL+48mL×3回)。
- 出来上がり|1杯分120mL。
- 淹れ方|
- 沸騰したお湯を火からおろし、お湯の静まりを待つ。
- 蒸らし:24mLを粉の中心から全体がしめる程度にゆっくり注ぎ、30秒待つ。
- 1回目:48mLを、中心からうず状に注ぐ。ペーパーには直接かけない。
- 2回目:48mLを同じように注ぐ。
- 3回目:48mLを同じように注ぐ。
- 落ち切ったら完成。
- 時間|杯数に関係なく、お湯が落ち切るまで3分以内。
注ぐお湯は、公式の「蒸らしは粉量の2倍、1回は粉量の4倍」を粉12gで計算した数字です。付属の説明書は中細挽きで、湯温の数字はありません。HARIO公式サイトの図には、中挽き・93℃とあります。

関連|原文はHARIO公式サイトのV60の淹れ方で確認できます。
レシピ⑤ UCC 3投式
UCC上島珈琲が、UCCコーヒーアカデミーで教えているハンドドリップの淹れ方(私が受講したアドバンスコースの教材より)です。
- 使う道具|ドリッパー(円すい型・台形型)とペーパーフィルター。
- 粉|12g・中細挽き(粒の大きさはグラニュー糖くらい)。
- 注ぐお湯|160mL。
- 出来上がり|140mL。
- 湯温|95℃(教材の目安は約92〜96℃)。
- 淹れ方|
- 蒸らし:20mLを、静かに中心から外縁ぎりぎり手前までお湯を乗せるように注ぐ(累計20mL)。
- 1投目:湯の細さを変えずに、1円玉以内の円をゆっくり描くように80mLを注ぐ(累計100mL)。
- 2投目:上から1/3程度減ったら、40mLを注ぐ(累計140mL)。
- 3投目:少し凹み(1/6程度)ができたら、20mLを注ぐ(累計160mL)。
- サーバーのコーヒーを軽く回して混ぜ、カップに注ぐ(コーヒー液の温度は約70℃)。
UCC公式サイトでは、粉は10〜12g、注ぎ方は「水面がやや下がったら次を注ぐ」です。時間はどちらにも記載がありません。

レシピ⑥ コーノ式
コーノ式は、お湯を点滴のようにポタポタと落とす「点滴ドリップ」から始めるのが基本です。珈琲サイフオン株式会社(KONO)が、公式サイトの「ペーパードリップの淹れ方」で紹介しているハンドドリップの淹れ方です。
- 使う道具|KONO名門フィルター(円すい形のドリッパー本体)とペーパーフィルター。
- 粉|1杯12g(公式サイトの目安。2人用24g・4人用48g)。
- 出来上がり|粉12gで約120mL(公式の目安。2人用は粉24gで240mL、4人用は粉48gで480mL)。
- 淹れ方|
- 点滴:点滴のように、お湯を中央へポタポタと垂らす。30〜60秒ほどでコーヒー液が落ち始める。
- コーヒー液がグラスポットの底を覆うほど溜まったら、500円玉の範囲で細く注ぐ。抽出量の3分の1程度まで、中央に白い泡のドームを膨らませる。
- 泡のドームを保つように湯量を少しずつ増やし、注ぐ範囲を広げる(抽出量の3分の2程度まで)。
- 湯量を静かに一気に増やし、なみなみと注いで満水にする。白い泡は表面に浮かせ続ける。
- 必要な量が落ちたら外す。お湯が減ったら、静かに注ぎ足して満水を保つ。
出来上がりの量は、KONOの計量カップの説明にある「2人用は24g(240ml)」の目安から出しています。お湯の量・挽き目・湯温・時間は、公式には記載がありません。

動画では、河野雅信社長がKONO名門フィルターの4人用(MDK型)で3杯分を淹れています。粉はグラムで量らず、山盛りで入れています。湯温は94℃くらいと話していて、点滴を始めてから最初の一滴が落ちるまで2分強かかっています(視聴者の計測)。試飲では、コクが出ると話しています。
関連|原文は珈琲サイフオン株式会社公式サイトの「ペーパードリップの淹れ方」、実演は岩崎泰三さんのYouTubeチャンネルの動画で確認できます。
タイプ3|バリスタが考えたレシピ
名前の知られたバリスタが考えた、検索でもよく見かけるレシピは、次の3つです。
- 4:6メソッド(粕谷哲さん)
- 10投式(粕谷哲さん)
- 塾長式(塾長トモヤさん)
4:6メソッドと10投式は、同じ粕谷哲さんが考えた新旧2つのレシピです。
3つのレシピは、どれもHARIOのドリッパーで淹れられます。4:6メソッドはV60、10投式はV60 NEOで、私もこの2つで淹れています。

レシピ⑦ 4:6メソッド
World Brewers Cup 2016で優勝した粕谷哲さんが、PHILOCOFFEA公式サイトで紹介しているハンドドリップの淹れ方です。
- 使う道具|ドリッパー(この記事ではV60)・ペーパーフィルター・スケール・細口のドリップケトル。
- 粉|豆20g・中粗挽き〜粗挽き。
- 注ぐお湯|300mL(粉量の15倍)。
- 湯温|浅煎りは93℃・中煎りは88℃・深煎りは83℃前後。
- 淹れ方|
- 0:00に60mLを注ぐ。以降は、お湯がほとんど落ち切ってから次を注ぐ。
- 0:45に60mLを注ぐ(前半120mLで、酸味と甘さのバランスを調整)。
- 1:30に60mLを注ぐ。
- 2:10に60mLを注ぐ。
- 2:40に60mLを注ぐ(後半180mLで濃さを調整)。
- 3:30にドリッパーを外す。
- 時間|3分30秒でドリッパーを外す。

関連|手順と味の直し方は『4:6メソッドの淹れ方』にまとめています。
レシピ⑧ 10投式
粕谷哲さんが、2026年5月に公開した動画で紹介しているハンドドリップの淹れ方(本人による名称は「THE NEO BREW」)です。
- 使う道具|V60 NEO推奨(V60でも可)とペーパーフィルター。
- 粉|豆20g・極粗挽き(コマンダンテC40で40クリック前後。本人の記載は40〜45クリック)。本人は浅煎りを推奨。
- 注ぐお湯|300mL。
- 湯温|95〜96℃。
- 淹れ方|
- 0:00に30mLを注ぎ、30秒蒸らす。
- 0:30に30mLを注ぐ。
- 0:45から2:30まで、15秒おきに30mLずつ8回注ぐ(累計300mL)。
- お湯を滞留させず、落とし切る。
- 時間|約3分半で落ち切る。

レシピ⑨ 塾長式
トモヤの珈琲塾の塾長トモヤさんが、2022年11月に公開した動画で紹介しているハンドドリップの淹れ方です。
- 使う道具|V60とペーパーフィルター。
- 粉|17g・中挽き(フジローヤル「みるっこ」で目盛り6)。
- 注ぐお湯|230mL。
- 湯温|92℃前後(本人は、92℃に固定してもよいと話している)。
- 淹れ方|
- 0:00に40mLを粉全体に注いで蒸らす。以降は、落とし切ったら次を注ぐ。
- 0:40に60mLを注ぐ。
- 1:10に60mLを注ぐ。
- 1:40に70mLを注ぐ。
- 2分20秒まで落とし切ったら完成。
- 時間|2分20秒で落ち切る。

塾長式を考えたトモヤさんは、大阪府寝屋川市のスペシャルティコーヒー店「JUKUCY COFFEE(ジュクシー珈琲)」も営んでいます。
レシピの選び方
選ぶときのポイントは、次の6つです。
- ハンドドリップを学ぶなら、注ぎ方と味の関係が分かる4:6メソッドです。
- 浅煎りの豆を楽しみたいなら、甘さととろみを狙う10投式です。
- コクのある味を出したいなら、ネルドリップの味わいをペーパーで目指すコーノ式です。
- 市販の挽いてある粉を使うなら、中細挽きの粉を前提にしたUCC 3投式です。
- コーヒー店で豆を買ったなら、各店のレシピです。店の道具に合わせた手順なので、まず一度、店の味を家で再現できます。
- 持っているドリッパーで選ぶなら、そのドリッパーで淹れるレシピです。V60なら4:6メソッドや塾長式など、KONO名門フィルターならコーノ式です。

選び方1|淹れ方を学ぶなら4:6メソッド
ハンドドリップを学びたいなら、まず4:6メソッドで、注ぎ方と味の関係を身につけるのがオススメです。同じように数字どおりに淹れるレシピでも、手早く1杯を淹れたいなら2分20秒で淹れ終わる塾長式、V60の基本を知りたいならHARIO公式(V60)です。
まずは4:6メソッド
4:6メソッドのいちばんのメリットは、注ぎ方で味がどう変わるかという、抽出の基本の考え方が学べることです。お湯を前半4割と後半6割に分け、前半で酸味と甘さのバランス、後半で濃さを決めます。後半を注ぐ回数を増やすと濃く、減らすと薄くなります。どこを変えると味が動くかが分かるので、ほかのレシピに進んでも、味を直すときの考え方として使えます。
粕谷さんの公式ページでも、まずしっかり計量して、示された数字どおりに真似するよう勧めています。求められるのは注ぎの器用さではなく、数字を守ることです。私も普段この数字で淹れ、落ち切りは3分〜3分30秒に収まります。
- 向いている人|ハンドドリップが初めてで、数字どおり淹れて味の変え方を覚えたい方。
- 道具|ドリッパー(この記事ではV60)・ペーパーフィルター・サーバー・スケール・ケトル(公式。ミルはあるとよい)。
- 杯数|豆20g・お湯300mLが基本。豆10〜30gに合わせた湯量の表もある(『4:6メソッドの淹れ方』)。
- 難度|低い。毎回同じ60mLを注ぐ。粕谷さんは「誰でも簡単に美味しいコーヒーを淹れられる」ことを考えて作ったとしている。
- 向かない場面|手早く1杯淹れたい日(5回に分け、タイマーを見ながら注ぐため)。
手早く1杯を淹れるなら塾長式
塾長式は、トモヤの珈琲塾の塾長トモヤさんが動画で紹介する1杯分のレシピで、2分20秒で淹れ終わります。本人は、時間をかけすぎると渋みが出るので、2分20秒に収まるよう作ったと話しています。ミルの性能にも左右されにくく、浅煎りから深煎りまで合うレシピです。
- 向いている人|手早く1杯を淹れたい方。渋みの少ない1杯にしたい方。
- 道具|V60とペーパーフィルター。
- 杯数|1杯分(粉17g・お湯230mL)。
- 難度|ふつう。決まった時間に4回注ぎ、量も40→60→60→70mLと変わる。本人は「無茶苦茶簡単なレシピ」と話している。
- 向かない場面|特になし。
V60の基本ならHARIO公式(V60)
HARIO公式(V60)は、HARIOが公式サイトとV60の付属説明書で紹介している基本の淹れ方です。粉は付属の計量スプーンのすりきり1杯で量れ、杯数に関係なく3分以内に落ち切ります。HARIOは、素早く注げばすっきり、ゆっくり注ぐとコク深い味になるとしています。
- 向いている人|V60を買って、まず説明書どおりに淹れたい方。
- 道具|V60とペーパーフィルター。
- 杯数|1杯分(粉12g・出来上がり120mL)。
- 難度|低い。蒸らしのあと、48mLずつ同じ量を3回注ぐ。
- 向かない場面|注ぐ速さで味が変わるので、毎回同じ味にそろえたい日。
選び方2|浅煎りを楽しむなら10投式
10投式は、粕谷哲さんが2026年5月に公開したレシピで、本人が浅煎りを勧めています。狙いは、浅煎りで軽くなりがちな口当たりに、甘さととろみを出すことです。私が淹れてみた感覚では深煎りでも美味しく淹れられました。難度が高いので、ハンドドリップに慣れてから、時間をかけてじっくり淹れたい日に試すのがオススメです。
- 向いている人|ハンドドリップに慣れてきて、浅煎りの豆を楽しみたい方。
- 道具|極粗挽き(コマンダンテC40で40クリック前後)にできるミルと、95〜96℃を保てるケトル。
- 杯数|豆20g・お湯300mL。
- 難度|高い。15秒おきに10回、量りながら注ぎ、95〜96℃を保つ。粕谷さんは「ただ10回注ぐだけだから」簡単と話している。
- 向かない場面|酸味を楽しみたいとき(本人は、酸の強度が下がり甘さが強く出ると話している)。
選び方3|コクを出したいならコーノ式
コーノ式は、KONOがペーパーでネルドリップの味わいを再現するために作った、KONO名門フィルターで淹れるレシピです。この淹れ方は点滴ドリップで淹れるため、道具や技術が必要となります。動画では、河野雅信社長が「コクが出る」と話しています。焙煎度の指定は公式にはありませんが、私は中煎り〜深煎りの豆で淹れたとき、薄くならずにコクを楽しめると感じています。コーノ式も私の感覚では難度が高く、時間をかけてじっくり淹れたい日に向いています。
- 向いている人|ハンドドリップに慣れてきて、コクのある味を楽しみたい方。点滴の注ぎ方を磨きたい方。
- 道具|KONO名門フィルターと、点滴ができる細口のケトルが要る。
- 杯数|公式の目安は粉12gで約120mL。2人用は粉24gで240mL、4人用は粉48gで480mL。必要な杯数分が落ちたら外す。
- 難度|高い。点滴で細く注ぎ続け、泡を崩さないように湯量を増やす。KONOは、MDK型を誰でも安定して淹れられるように改良したと説明している。
- 向かない場面|点滴でゆっくり落とす時間がない日、手早く淹れたい日。
選び方4|市販の粉ならUCC 3投式
UCC 3投式は、UCC上島珈琲がUCCコーヒーアカデミーで教えている1杯分のレシピで、ペーパードリップ用の中細挽きが前提です。UCCは、市販の挽いてある粉は中細挽きになっているものが多いと説明していて、「あらかじめ挽かれたコーヒー粉を使ってもOK」としています。スーパーで買った粉と挽き目がそろうので、そのまま淹れやすいレシピです。
私が受講した講座の教材には、「スーパーのコーヒー用」「雑味なく、クリアにしっかりと抽出できる」というメモを書き込んでいます。
- 向いている人|ハンドドリップが初めてで、挽いてある市販の粉を使う方。
- 道具|ドリッパー(円すい型・台形型)とペーパーフィルター。
- 杯数|1杯分(出来上がり140mL)。
- 難度|ふつう。注ぐ量が80→40→20mLと毎回変わり、お湯の減り方を見て次を注ぐ。UCCは、ハンドドリップ初心者向けのレシピとして紹介している。
- 向かない場面|2杯分以上を一度に淹れる日(粉は4杯分まで公式の表があるが、3回に分けるお湯は1杯分の数字しかない)。
選び方5|専門店の豆なら各店のレシピ
ブルーボトルコーヒー、小川珈琲、スターバックス コーヒーのレシピは、それぞれの店が自社の道具で淹れる手順として公開しています。スターバックス コーヒーは、ハンドドリップにハウス ブレンドとカフェ ベロナを勧めています。その店で豆を買ったときは、まずその店のレシピで一度淹れてみるのがオススメです。
- 向いている人|その店で豆を買った方。
- 道具|その店のドリッパー(ブルーボトルコーヒーは専用ドリッパー、小川珈琲はカリタの三ツ穴ドリッパー、スターバックス コーヒーは自社のセラミックドリッパー)。
- 杯数|ブルーボトルコーヒーは出来上がり310mL、小川珈琲は1杯分(2杯分の数字もある)、スターバックス コーヒーはお湯360mL(杯数の記載なし)。
- 難度|低い〜ふつう。ブルーボトルコーヒーと小川珈琲は低い、スターバックス コーヒーはふつう。小川珈琲は三ツ穴ドリッパーは難度が高くなると説明しているが、ここでの難度は注ぐ回数と1回の量で見ている(小川珈琲は4回で、2回目からは同じ量)。
- 向かない場面|店のドリッパーがないとき。
選び方6|持っているドリッパーで選ぶ
ドリッパーをすでに持っているなら、そのドリッパーで淹れるレシピから選ぶと、道具を買い足さずに始められます。この記事の9種類が使うドリッパーは、次のとおりです。
- V60|4:6メソッド・HARIO公式(V60)・塾長式。10投式もV60で淹れられる(粕谷さんはV60 NEOを推奨)。
- KONO名門フィルター|コーノ式。
- カリタの三ツ穴ドリッパー|小川珈琲。
- 円すい型・台形型のドリッパー|UCC 3投式(どちらの形でもよい)。
- 店の専用ドリッパー|ブルーボトルコーヒー(専用ドリッパー)、スターバックス コーヒー(オリジナルセラミックドリッパー)。
関連|手順と豆10〜30gの湯量の表は『4:6メソッドの淹れ方』にまとめています。
よくある質問
どれから始めるか、1杯分だけ淹れたいとき、道具が足りないときについてまとめました。
Q1. 最初はどのレシピがいいですか
迷ったら、まず4:6メソッドがオススメです。豆20g・お湯300mLを60mLずつ5回に分けて注ぐレシピで、数字を守れば味が再現でき、薄い・苦いときに直す場所も決まっています。目的に合わせたほかのレシピは、「レシピの選び方」で紹介しています。
Q2. レシピごとに豆の量やお湯の量が違うのはなぜですか
前提にしている杯数と挽き目が違うからです。UCC 3投式は1杯分(粉12g・お湯160mL)で、4:6メソッドは豆20g・お湯300mL(粉量の15倍)が基本です。
コーヒー店のレシピも、店ごとに数字が違います。比べるときは、何杯分の数字かと、挽き目が粗いか細かいかを先に見ると違いが分かります。
Q3. 1杯分だけ淹れるなら、どのレシピがいいですか
市販のコーヒー粉で1杯淹れるなら、UCC 3投式です。粉12g・お湯160mLを、蒸らしのあと3回に分けて注ぐ1杯分のレシピです。
手早く1杯淹れるなら、塾長式もオススメです。粉17g・お湯230mLを、蒸らしのあと3回に分けて注ぎ、2分20秒で淹れ終わります。
ほかに1杯分の数字があるのは、小川珈琲(粉13g・お湯180mL)です。コーノ式にも、公式の粉12gで約120mLの目安があります。4:6メソッドにも豆15g・お湯225mLの数字があり、豆の量ごとの表は『4:6メソッドの淹れ方』にまとめています。
Q4. 数字を覚えずに淹れられますか
私は、どのレシピでも注ぐ時間と量を覚えておく基本は必要だと考えています。4:6メソッドも注ぐ量と回数で味が決まるので、数字を覚えずに毎回スケールとタイマーを見比べながら淹れるのはきついです。
覚えるまでの練習としては、キッチンスケールとスマホのタイマーで量りながら淹れると、数字が身につきます。なお、コーノ式はお湯を点滴のようにポタポタ垂らす手順が前提で、点滴は細口のケトルがないと難しいです。道具の選び方は『ハンドドリップで揃えたい7つの道具』にまとめています。
Q5. 豆を店で挽いてもらうとき、何と言えばいいですか
淹れるレシピの挽き目を、そのまま伝えます。UCC 3投式なら中細挽き、4:6メソッドなら中粗挽きです。
UCC 3投式は中細挽きが前提です。4:6メソッド用の粗めの粉で淹れると、お湯が早く抜けて薄くなります。
Q6. お湯が落ちない・時間がかかるのはなぜですか
挽き目が細かすぎると、お湯が落ちにくくなります。4:6メソッドなら3分半たっても落ち切らないとき、塾長式なら2分20秒で落ち切らないときが、粗くする目安です。コーノ式は点滴でゆっくり落とす淹れ方で、公式に時間の目安がないので、この見方は当てはまりません。もう1つは、お湯で粉をかき混ぜすぎることで、細かい粉がフィルターに詰まって落ちにくくなります。
挽き目の目安は『4:6メソッドの淹れ方』にまとめています。
Q7. 湯温は何度にすればいいですか
レシピによって違います。4:6メソッドは中煎りなら88℃前後(浅煎り93℃・深煎り83℃前後)、スターバックス コーヒーは90〜96℃、UCC 3投式は95℃(教材の目安は約92〜96℃)、10投式は95〜96℃です。コーノ式は公式に記載がなく、動画では94℃くらいと話しています。
温度計がないときは、HARIO公式(V60)の説明書のように、沸騰したお湯を火からおろし、お湯の静まりを待ってから注ぎます。
Q8. HARIOのスイッチを持っている場合はどうすればいいですか
スイッチは、粉をお湯に浸してから落とす器具で、この記事のレシピとは淹れ方が違います。
関連|スイッチの公式レシピと淹れ方は『HARIO 浸漬式ドリッパー スイッチの使い方』にまとめています。
Q9. ドリップバッグと何が違いますか
豆の量・お湯の量・温度・注ぎ方を、自分で決められることです。同じ豆でも、レシピを変えると味を動かせます。ドリップバッグは1袋で淹れられる量がほぼ決まっていますが、ハンドドリップなら、粉の量を変えて、淹れる量も自分で決められます。
ドリップバッグを美味しく淹れる方法は『ドリップバッグコーヒーの美味しい淹れ方』にまとめています。
まとめ
目的や持っている道具に合わせたオススメは、次の6通りです。
- ハンドドリップを学びたい
→ 4:6メソッド - 浅煎りの豆を楽しみたい
→ 10投式 - コクのある味を出したい
→ コーノ式 - 市販のコーヒー粉を美味しく淹れたい
→ UCC 3投式 - コーヒー店の豆を淹れる
→ 各店のレシピ - 持っているドリッパーで選ぶ
→ そのドリッパーで淹れるレシピ
迷ったら、まず4:6メソッドから始めてみてください。私も普段、HARIO V60透過ドリッパー02クリアでこの淹れ方をしています。V60で淹れるなら、スケールで量を量り、細口のケトルで少しずつ注ぐと、レシピの数字どおりに淹れられます。
3つとも、HARIO公式オンラインショップで買えます。
- V60 透過ドリッパー 02|4:6メソッド、10投式、HARIO公式(V60)、塾長式のレシピで使う
- V60 ドリップスケール|豆の重さとお湯の量を量る
- ミニドリップケトル|細口で、注ぐ量を分けやすい
知りたいことに合わせて、こちらもどうぞ。
- 4:6メソッドの手順と味の直し方|『4:6メソッドの淹れ方』
- ドリップバッグを淹れる|『ドリップバッグコーヒーの美味しい淹れ方』
- V60の形とサイズを調べる|『HARIO 透過式ドリッパー「V60-02」の解説と4:6メソッドのレシピ』


