この記事でわかること
コーヒー豆って、種類が多くて迷いませんか?
産地、品種、焙煎度、販売店など、コーヒー豆の選択肢は幅広く、悩むことも多いと思います。
このブログでは、実際に購入したコーヒー豆について、私が感じた味わいや特徴などを消費者目線でまとめています。
今回購入したのは澤井珈琲の「モカマタリ」。
同じ豆を「4:6メソッド」と「浸漬法」の2種類のドリップ手法で飲み比べをしてみました。
コーヒー豆を挽いた時やドリップ時のアロマは芳醇で、どちらのドリップも手法も、モカマタリの「酸味とコクがあるバランスが取れたコーヒー」を楽しむことができました。
この記事が自分好みの一杯を探す際の参考になれば嬉しいです。
株式会社 澤井珈琲
「モカ・マタリ」
産地:イエメン
品種:アラビカ種
精製:ナチュラル
焙煎:店長おすすめ焙煎
(ハイローストぽい)
値段:2510円/200g
(一杯150mlで151円)
※コーヒー豆12gで出来上がり150mlの値段
【販売者情報】株式会社 澤井珈琲
澤井珈琲は昭和55年創業の老舗自家焙煎店。
ネットで購入している方も多いと思います。
澤井珈琲の特徴は「注文後に焙煎したコーヒー豆が届く」こと。
焙煎直後の香り高い豆を味わうことができ、ラインナップも幅広く、シングルオリジン、ブレンド、カフェインレスやドリップバックなどがあり、定期的な割引やお得なセットも充実していますので、コーヒー豆を広く試してみた方や日常で淹れるコーヒーを探している方におすすめです。
⭐️澤井珈琲に関する情報
・注文後に焙煎、発送
・幅広いラインナップ
・定期的な割引、お得セットが充実
【モカマタリとは】イエメン産モカの特徴・「モカ」との違い

モカマタリとは、イエメン産のアラビカ種コーヒーの銘柄です。イエメン🇾🇪は中東にある国で、コーヒーの発祥地エチオピアから紅海を挟んだ対岸にあり、古くから「モカ港」を通じてコーヒーが世界に広まった歴史的な地域です。乾燥した気候と高地のテラス農法、そして伝統的なナチュラル精製(自然乾燥)のプロセスが、独特の風味を生み出します。
「モカマタリ」の名前は、産地であるイエメンのバニーマタル(Bani Mataar)地方と、積出港だった「モカ港」に由来します。名曲『コーヒールンバ』の歌詞にも登場するため、名前だけは聞いたことがある、という方も多いかもしれません。
「モカ」との違い|「モカ」は港の総称、「マタリ」はその中の銘柄

「モカマタリ」と、ただ「モカ」とだけ書かれた豆は何が違うのか、迷う方は多いと思います。
結論から言うと、「モカ」はエチオピアとイエメン、2つの国で採れるコーヒーの総称で、かつての積出港「モカ港」に由来する呼び名です。豆そのものの品種名ではありません。
その「モカ」の中で、イエメンのバニーマタル地方で採れた豆が「モカマタリ」です。同じモカでも、エチオピア・ハラー地区産は「モカハラー」、シダモ地区産は「モカシダモ」と、産地ごとに呼び分けられています。
- モカマタリ:イエメン産・ナチュラル精製・重厚でワインのような味わい
- モカハラー:エチオピア・ハラー地区産
- モカシダモ:エチオピア・シダモ地区産・華やかで軽やか
「地域まで書かれている豆は価格が高いけれど、それだけの価値があるの?」という疑問もよく見かけますが、産地が明記されている豆は、その土地ならではの個性が味わえるのが魅力です。特にモカマタリは、後述するように独特の香りと味わいで、昔から根強いファンがいる銘柄です。
味の特徴|ワインのような甘い酸味と重厚なコク
モカマタリ一番の特徴は「ワインのような芳醇な香りと複雑な味わい」です。酸味・甘み・コクが重なり合い、唯一無二の個性を持つため、コーヒー通やシングルオリジン好きに愛されてきました。イエメンならではのナチュラル精製(果肉をつけたまま天日乾燥する製法)が、この重厚でフルーティーな風味の源になっています。
「モカ=酸っぱい」というイメージを持つ方も多いですが、本来のモカマタリの酸味は、花やワインを思わせる芳醇な香りと良質な甘みを伴う、柔らかなものです。焙煎度合いによっても表情が変わります。
- 浅煎りでは華やかな香りとフルーティーな酸味
- 深煎りでは芳醇なコクと甘み
私が澤井珈琲のモカマタリを淹れてみて、まず驚いたのが香りでした。豆を挽いている最中から芳醇な香りがふわっと立ちのぼり、ドリップし終えたカップからは、落ち着いたフローラルな香りが漂います。挽く前と淹れた後で香りの表情が変わるのも面白いところでした。
口に含むと、口当たりはすっきりしていて、酸味は尖らず柔らか。それでいてしっかりとしたボディ感とほのかなスパイシーさがあり、飲み終えたあとにはコクと苦味の余韻が静かに広がりました。「酸っぱいだけ」という私が抱いていたイメージとは違い、香り・酸味・コクが心地よく重なり合う一杯だと感じます。
温度が下がると表情が変わるのもモカマタリらしさで、冷めるにつれて渋みがのぞく場面もありました。淹れ方や温度による味わいの違いは、記事後半の飲み比べレビューで詳しくお伝えしています。
⭐️「モカマタリ」の一般的な特徴
・芳醇な香り
赤ワインのような華やかで濃厚な香り
・複雑な酸味
フルーティーでありながら独特な酸味
・濃厚なコク
爽やかさの中で広がるボディ感
余韻の長さ
・独特な個性
チョコレート、スパイス、果実感
「まずい」と言われるのはなぜ?
「モカマタリ まずい」という声を見かけることもあります。これには、いくつか理由があります。
ひとつは、モカマタリが零細農家による手摘み・天日乾燥で作られるため、乾燥ムラや欠点豆が混じりやすく、ロットによって味のばらつきが出やすいこと。もうひとつは、独特の酸味やクセの強さが、酸味の苦手な方には「酸っぱい」「クセが強い」と感じられることです。
つまり「まずい」というより、個性がはっきりしていて好みが分かれる豆、というのが実際のところです。すっきりした苦味系のコーヒーが好きな方には合わないこともありますが、香りや酸味の個性を楽しみたい方にはたまらない一杯になります。鮮度の良い豆を選ぶことも、おいしく味わうポイントです。
実際に私が澤井珈琲のモカマタリを、4:6メソッドと浸漬式の2通りで淹れて飲んだ限りでは、酸味は終始柔らかく、「酸っぱすぎる」と感じる場面はありませんでした。後味に雑味がまとわりつくこともなく、むしろ浸漬式で淹れたものは、冷めていくにつれて角が取れてまろやかに変化していきました。
「モカマタリ=酸っぱくてまずい」という先入観を持っていた方ほど、鮮度の良い豆で丁寧に淹れれば、良い意味で印象が変わるかもしれません。
こんな人にオススメの豆
- フルーティーな酸味や華やかな香りを楽しみたい方
- ワインのような複雑で個性的な味わいが好きな方
- 深煎りで芳醇なコクと甘みを味わいたい方
- シングルオリジンで産地ごとの個性を飲み比べたい方
私が実際に淹れて印象に残ったのは、挽いた瞬間の芳醇な香りと、ドリップ後に立つ落ち着いたフローラルな香りでした。さらに、淹れ方を4:6メソッドと浸漬式で変えるとボディ感や酸味の出方が変わり、同じ豆でも温度が下がるにつれて味わいの角が取れていく——その移り変わりを追いかけるのが、飲んでいて素直に面白かったです。
だからこそ、香りをじっくり楽しみたい方や、淹れ方・温度による表情の変化を味わってみたい方に、オススメしたい豆だと感じました。
逆に、酸味が苦手で、すっきりとした苦味系のコーヒーが好きな方には、少しクセが強く感じられるかもしれません。
【ご紹介】澤井珈琲「モカマタリ」

①イエメンコーヒーの背景
イエメンは「幸福のアラビア」と呼ばれ、険しい山岳地帯に広がる段々畑で、300年以上にわたり農民たちが大切にコーヒーを育んできました。
赤く熟した実は一粒ずつ丁寧に手摘みされ、天日乾燥と伝統的な石臼での精製という昔ながらの方法で仕上げられます。そのため豆の形は不揃いですが、それこそがモカマタリの個性であり、独特の風味を生み出す理由となっています。
②モカマタリの特徴
モカマタリは、花やワインを思わせる芳醇な香りと良質な甘みを伴う柔らかな酸味が特徴で、焙煎度合いによって表情を変える万能な豆です。お好みに合わせて幅広く楽しめる逸品といえます。
③購入先と価格|カルディ・澤井珈琲での入手性
「モカマタリはどこで買えるの?」という声も多い豆です。というのも、イエメンの内戦の影響や、収穫量の減少により、市場に出回る量が少なく「幻のモカ」と呼ばれることもある希少な銘柄だからです。カフェや実店舗ではなかなか見かけない、という方も多いかもしれません。
それでも、オンラインなら比較的手に入れやすくなっています。代表的な購入先は次のとおりです。
- カルディ(KALDI):オンラインストアで購入可(モカマタリ 200g/2,786円 税込)。実店舗では扱いのないことが多く、オンライン限定に近い形です。
- 澤井珈琲(今回の豆):注文後に焙煎して発送。500g/4,665円(税込)などの容量で購入できます。
今回私が購入した澤井珈琲のモカマタリの価格は200gで2510円。
一杯150mlに換算すると、約151円となります。
セール時には半額で購入できることもありますので、狙い目です。
«参考:価格の算出方法»
- セブンイレブンのレギュラーコーヒー約150mlを一杯と設定。
- コーヒー豆12gに対して湯量180mlを注ぎ、出来あたりは約150ml。
- 2510円×12g/200g=151円
【レビュー】2種類のドリップ手法で味わうコーヒー豆「モカマタリ」
今回は、コーヒー豆「モカマタリ」を、HARIO V60でハンドドリップした場合と、HARIOスイッチで浸漬法で淹れた場合を飲み比べてみました。同じ豆でも、抽出方法が変わると「酸味の出方」「甘みの感じ方」「口当たり」にどのような違いが出るのか、その変化を楽しみつつ、イエメンコーヒーの魅力と特徴を改めて見ていきます。
なお、同じ「4:6メソッド × 浸漬式」の飲み比べは、ブラジルの豆でも試したレビュー記事があります。豆による味わいの違いが気になる方は、あわせてご覧ください。
| ドリップ手法 | ドリッパー | 特徴 |
| 4:6メソッド ・90℃ ・3分30秒 | HARIO V60透過ドリッパー02 (樹脂製) | 香り:落ち着いたフローラル系 口当たり:クリア・スッキリ フレーバー:酸味抑えめのマイルド系でほのかなスパイシーさ 余韻:苦さとコクが広がる ⭐️冷えると渋みが若干出てくる |
| 浸漬法 ・前半は90℃以上でドリップ ・後半は70℃で30秒後にドリップ | HARIO 浸水式ドリッパースイッチ 02 | 香り:落ち着いたフローラル系 口当たり:クリーミーなボディ感 フレーバー:酸味・甘味のあるマイルド系 (浸漬式のほうが酸味・甘味が強まる) 余韻:苦さとコクが広がる ⭐️冷えても飲みやすい (冷えてもボディ感で雑味が紛れる) |
①今回試してみたドリップ手法
4:6メソッド(HARIO-V60ドリッパー)
考案者
粕谷哲さん(2016年ワールドブリューワーズカップ優勝者)
基本原理
お湯を「前半40%」「後半60%」に分けて、ベースのハンドドリップを作る。
- 基本は5回に分けてドリップ
- 前半40%で、 酸味・甘味を決める。
- 後半60%で、 苦味・コク・全体のバランスを調整する。
- 浅煎りは93℃、深煎りは83℃を目安に淹れる。
特徴
- お湯を数回に分けて「注ぐ量・回数・タイミング」で味をコントロールする。
- 調整しやすく、再現性が高い。
- ドリップの基本を学びながら、自分好みの味を作りやすい。

«粕谷哲さんによる紹介動画がこちら»
TETSU KASUYA World Brewers Cup Champion

浸漬ドリップ(HARIO-浸漬式ドリッパースイッチ)
考案者
粕谷哲さん(2016年ワールドブリューワーズカップ優勝者)
基本原理
ちょっと細かめな粒度のコーヒー豆を、温度を変えて、お湯に「浸ける」ことで、コーヒー豆の成分をしっかりと抽出する。
- 0〜30秒:90℃以上のお湯でドリップ(スイッチ開)
- 30〜1分15秒:90℃以上のお湯でドリップ(スイッチ開)
- 1分15秒〜1分45秒:92℃のお湯で残りの湯をドリップ(スイッチ閉止)
- 1分45秒〜3分:抽出(スイッチ開)
特徴:
- お湯を注いで、じっくり抽出。
- 成分が均一に抽出されやすく、丸みのある味になりやすい。
- 抽出時間の長さで味の濃さや苦味を調整できる。

«粕谷哲さんによる紹介動画がこちら»
TETSU KASUYA World Brewers Cup Champion

② ドリップで使った道具

共通の道具
- ケトル:HARIO ミニドリップケトル 500ml
- 温度計:BOMATA 温度計
- サーバー:無印良品 耐熱ガラスメジャーカップ
- スケール:TIMEMORE Black Mirror Basic 2.0 Coffee Scale
- ミル:コマンダンテ Comandante C40 MK4
4:6メソッドで使った道具
- ドリップ:HARIO V60透過ドリッパー02 (樹脂製)
- ペーパーフィルター:専用フィルター
浸漬法で使った道具
- ドリップ:HARIO 浸水式ドリッパースイッチ 02
- ペーパーフィルター:専門フィルター

③コーヒー豆の準備

コーヒー豆は両方とも20g。
豆の大きさはバラバラですが、一粒一粒ふっくら目のコーヒー豆です。
挽き目は中挽き〜やや粗め(コマンダンテで24クリック)にしました。
④ 4:6メソッドで淹れた「モカマタリ」

4:6メソッドで淹れたコーヒーは、ほどよい酸味のあるマイルドな一杯になりました。
挽いている最中に芳醇な香りが広がり、ドリップ後は落ち着いたフローラルな香りになりました。
口当たりは「すっきり」。フレーバーは、酸味が抑えめですが、ボディ感とほのかなスパイシーさがあり、余韻としてはコクと苦味を感じました。
常温(27℃)に冷めた後は、若干渋みが出てきた印象で、ホットの方が飲みやすかったです。

⑤ 浸漬法で淹れた「モカマタリ」

浸漬法で淹れたコーヒーは、4:6メソッドで淹れたコーヒーよりもボディ感が強調された一杯となりました。
ドリップ後の香りは、4:6メソッドと同様に、落ち着いたフローラルな香りです。
口当たりやフレーバーも「4:6メソッド」と似ていますが、浸漬式の方が酸味と甘味が強くなり、口の中に淹れた時にクリーミーなボディ感を味わえます。
なお、常温(27℃)に冷めた後は、角の取れたマイルドなコーヒーとなり、雑味もない、サラッと飲めるコーヒーになりました。

【まとめ】甘い余韻が広がるコーヒー
今回は、澤井珈琲のコーヒー豆「モカマタリ」について、「4:6メソッド」と「浸漬ドリップ」の飲み比べをしました。
コーヒー豆を挽いた時やドリップ時のアロマは芳醇で、どちらのドリップも、モカマタリの「酸味とコクがあるバランスが取れたコーヒー」を楽しむことができました。個人的には、クリーミーさ・ボディ感が強くなり、冷えた後もバランスの良さを楽しめる「浸漬法」が好みでした。
なお、今回使った「4:6メソッド」の詳しい淹れ方は、ハンドドリップのコツをまとめた記事で解説しています。基本の淹れ方を知りたい方は、あわせて参考にしてみてください。
イエメンの代表銘柄である「モカマタリ」、ぜひお試しください。
«今回購入したコーヒー豆»
フルーティーな酸味のコーヒーがお好きな方には、ヒロコーヒーの「フルッタ ケニア」もオススメです。


